最近、しばらく観ていなかった映画のDVDを観ました。
「かもめ食堂」に始まり、この「めがね」や「マザーウォーター」など、荻上直子監督と、小林聡美さん、もたいまさこさんなどのキャストによって作られるこのシリーズが大好きです。
特にこのゆるーい「メルシー体操」はお気に入り。
この映画では、小林聡美さん演じる女性タエコが、「どこか携帯電話のつながらない場所に行きたい」と、ある島を訪れます。
その島にある浜辺の宿「ハマダ」を舞台に、タエコは島の人々との触れ合いの中で徐々に落ち着きを取り戻していきます。
タエコは初め、食事の誘いも断り、メルシー体操の誘いも断り、かき氷を食べませんかと言われても「かき氷は嫌いなので」と断り、頑なに心を閉ざし続けます。
そんなタエコも徐々に人々との触れ合いの中で、「何が自由か」を見つけていきます。
最後に島を後にするとき、車の助手席で窓を開けて気持ち良さそうに風を感じるタエコ。そんなタエコのめがねが、突然風に飛ばされてしまいます。
一度は「あっ!」と驚くタエコですが、最終的には飛ばされためがねを気にすることなく、そのまま笑顔で風を感じ続けます。
私が思うに、この「めがね」というタイトルは、皆自分のフィルタを通して同じ世界を見ている、ということを言いたいのだと思います。
タエコが今までかけていためがね、つまり古い価値観のようなもの、は風に乗って飛んで行ってしまいました。
新しい世界が見えたとき、今まで自分がしがみついていたものが、なんてちっぽけなものだったんだろう、と気付くことは多いと思います。
変化していくこと、過去を手放すことを恐れずに、人生楽しんでいきたいですよね。