NHK BSの再放送で、「関口知宏のヨーロッパ鉄道の旅 スウェーデン編」を観ました。
関口さんはこの旅でスウェーデンを北上し、最終的に北極圏の街を訪れ、そこで先住民族サーメの独特の暮らしに触れます。
世界遺産ラポニア地域では、森の生活も体験し、鹿の猟にも一緒に出かけました。
猟に連れて行ってくれた現地の方は鹿肉を焼いて振る舞い、関口さんもその美味しさに感動していました。
食事中、現地の方がこぼした一言が、とても印象的でした。
「今の暮らしは複雑になりすぎている。本来はもっとシンプルなものなんだよ」
複雑化する現代社会
確かに現代社会は、色々と便利なモノに囲まれ、情報もこれでもかというくらい溢れかえっています。
便利になるはずが、逆にそのモノや情報に苦しめられている部分も否定できません。
旅を終えて、関口さんが綴った一言がこれです。私はこれを聞いて感心しました。
「未来への最大の備えは、簡素化すること」
普通は備えをすると聞けば、色々とモノを増やすイメージがあります。
先住民族の暮らしは、とてもシンプル。お腹が空けば狩りに出て、寒くなれば薪をくべる。暗くなったら寝て、日が昇ったら起きる。
全ての行動が、生きるために必要なことに絞られているのです。自然のサイクルの中で生きているというか、とても本質的な暮らしだなと思います。
現代の暮らしでは、日々やらなければならないことに追われ、色々な情報にも振り回され、生きることが苦しいと感じる方もいるのではないでしょうか。
「生きる喜び」なんて考える余裕もないまま、ただ日々が過ぎていっても不思議ではありません。
超越瞑想(TM)でシンプルな私に
超越瞑想(TM)の説明では、私達の心を海に例えます。
海の表面は動きがあり、大きく波立ち、荒れ狂うこともあります。やらなければならないことに追われ、色々な情報に翻弄される、私達の日常のようです。
瞑想の実践中、私達の想念は徐々にかすかなものになっていきます。騒がしい海の表面を離れ、海底に向かって潜っていきます。
そして、最もかすかな想念すら超越した先に、「想念の源」があります。「想念の源」は、動きがなく静かな海底に例えられます。
この「想念の源」に毎日繰り返し触れることで、騒がしい日常に戻った後でも、複雑化した世界を一歩引いた目線から見ることができるようになります。
周囲の雑音に影響されにくくなると、自分の中に強さが生まれます。シンプルであるがゆえの強さです。
強さを身に付けると、落ち着きやエネルギーも自然と生まれてきて、人生をもっともっと楽しめるようになります。
「未来への最大の備えは、簡素化すること」
瞑想を教えるようになった今、この言葉がとても身に沁みました。