先日、「スポーツ×ヒューマン 欧州で"生き残る"」という番組を観ました。
この番組では、サッカーの長谷部誠選手、岡崎慎司選手、吉田麻也選手が、ヨーロッパサッカーで生き残ることをテーマに三人でトークしていました。
長谷部選手はドイツ、岡崎選手はドイツ、イギリス、スペイン、吉田選手はイギリスとイタリアで合計10シーズン以上プレーしている、いわゆる海外組の筆頭格です。
サッカーだけに限った話ではありませんが、海外に長くいる人は、どこか日本人的でない面白い考え方を持っていると感じるので、興味深く三人の話を聞きました。
中でも面白かったのは、「エゴと調和」というテーマでした。
つまり、海外の選手達と一緒にプレーする中で、どれだけ自分の意見をハッキリ言っていくのかというようなことです。
吉田選手の場合
吉田選手はディフェンダーなので、ミスが失点に直結するポジションです。
失点をすると周りの選手は吉田選手のせいにしてくるそうですが、吉田選手も負けずに言い返します。チーム全体のディフェンスを仕切るポジションなので、自分のプレーの意図や守備に対する考えをハッキリ伝えることで、自分の存在感をしっかりと示し、監督に使ってもらおうという姿勢が感じられました。
自己主張がしっかりしている海外選手たちの中で、その文化に合わせて自分もきちんと主張するというのが吉田選手の考え方です。
長谷部選手の場合
長谷部選手は吉田選手とは少し考え方が違いました。
長谷部選手はチームでも代表でもキャプテンを務めることが多く、チーム全体をまとめることを常に要求されてきました。
もちろん吉田選手と同じで言うべきことはきちんと言いますが、長谷部選手はどちらかというと調和を大事にするタイプだそうです。
我の強い他の選手の間に自分が入ることで、チーム全体のバランスを取ることを意識していると言っていました。
長谷部選手の凄い所は、その国の文化に合わせようとするのではなく、逆に日本人の特徴を強みに変えているところです。
事実チームは、毎年シーズンの最初は長谷部選手をベンチに置きますが、シーズン終盤には長谷部選手を中心に据えた布陣を採用しています。負けが込んでくると、監督は調和の重要性、そしてそのために必要なプレイヤーは誰か、ということに気が付くようです。
長谷部選手がドイツで14シーズンも活躍できている理由がよく分かりました。
岡崎選手はまたこの二人と違う考えをしていて面白かったので、次回に書きたいと思います。