日英翻訳をしている私ですが、やはりネイティブスピーカーでないだけに、自分の英語に確信が持てないことが多々あります。
そんなとき、「これで大丈夫かなぁ?」とコメントを入れて、ネイティブチェッカーに質問することがたまにあります。
あまりコメントが多すぎるとチェッカーさんも大変ですし、質問だらけでも信用を損なうので(苦笑)、量はほどほどにしています。
このチェッカーさんとは、彼が日本語の解釈で悩んだときに私がアドバイスしているという意味で、何とかWin-Winの関係を保てているかなと思いますが・・・。
例えばこんな感じで質問します。
Please check if this wording sounds OK (especially if it is grammatical to say "propose... to do").
この言い方大丈夫そうかチェックしてほしいのですが・・・(特に"propose... to do"という言い方が文法的かどうか)
このときは次のように回答してくれました。
I guess this is okay, but it does sound a bit weird to me. It might be a bit wordy, but I might say something like “instruct or make a proposal to the XXX unit…”
大丈夫だと思いますけど、ちょっと変な感じに聞こえます。少しくどいかもしれないけど、私なら"instruct or make a proposal to the XXX unit…"のような感じにするかもしれません。
私はネイティブっぽい言い回しにすごく関心があるので、「ネイティブならどうやって訳すかな?」ということをいつも考えています。このようなダイレクトな回答は、とても有り難いです。
もちろん翻訳時にも、ネイティブの真似をすることはとても大切です。私は、自分がチェッカーを務めたときの翻訳文を、対訳形式でストックしておきます。
細かく言うと、「<日本語><タブスペース><英語><改行>」という形式で記述したテキストファイルを、ApSIC Xbenchというアプリケーションを使って検索します。対訳は日々の仕事でどんどん増加していくので、自分だけのデータベースがどんどん増強されていきます。
ネイティブへのコメントに話を戻すと、これは翻訳コメント全般に言えることですが、チェッカーに処理を丸投げしないことは非常に大事です。
「どうやって訳したら良いかわからないけど、どうしたら良いでしょうか?」というような漠然としたコメントは、チェッカーにとってかなりの負担になります。
これを回避するには、
「AとBだったらどっちの訳が良いと思いますか?」
「原文のAという言葉は誤りでBとするのが正しいと思いますが、どう思いますか?」
など、相手の負担ができるだけ少なくなるようなコメントを書くよう心がけましょう。話はポイントを押さえて簡潔に、とよく言いますが、翻訳コメントも同じです。
自分がよく考えた上でネイティブチェッカーに質問するのは、自分の実力アップにつながります。チェッカー側としても簡潔かつ適切なコメントであれば、「よく考えているな」と感じてもらえるので、むしろ信頼につながります。
自分の知的好奇心を仕事で満たせるという意味で、とても有り難い仕事をさせてもらっているなと感じます。これからも丁寧な仕事を心がけたいと思います。